府教育委員会がすすめる「京都市・乙訓地域の公立高校制度の見直し」について、府教委主催の「府民説明会」が、23・24日、京都市内2、乙訓2会場で開催されました。
私は、昨日の長岡京市会場と今日の向日市会場に参加。どちらの会場も250〜300人くらいの方が参加され、ほぼ満杯。関心の高さがうかがわれます。
府教委から「新しい制度」の説明後、会場からは発言がひっきりなしに続き、特に、普通科T類で「総合選抜制」が廃止され、学校ごとに出願して合否を決める「単独選抜制」に変わることや、通学圏の統合拡大、2月の「前期選抜」が拡大されることへの意見が相次ぎました。
「『自由に選べる』と言われても、21校からどうやって選べばいいのか?まったくわからない」(保護者)
「『生徒の行きたい高校を』というが、中学の進路指導でどうやって指導すればいいのか?偏差値などの基準を示すのか」(中学教員)
「学力の高い子は『前期選抜』ねらいでよいかも知れないけれど、そうでない多くの子には大変な競争が強いられる制度になるのでは」(保護者)
「『3回受検できる』と言うが本当にそうか?『中期選抜』で第1・2志望の扱いはどうなるのか。『後期選抜』はどのくらいの学校で予定しているのか」(教員?)
「親としては自転車で行ける公立に行ってほしいと思うが、通学圏拡大で近くの高校に入れず、遠距離通学になる子が増え、通学費負担が増えるのでは」(保護者)
「『前期選抜』を拡大するのは違和感がある。東大・京大は青田刈りのようなことはしないのに。それに多くの生徒が受験すれば『不合格者』も増えることになる」(保護者)
「学校ごとの募集定員など、入試制度の詳細はどうやって決まるのか。それに対しても意見を言いたいが、そういう機会はもうないのか」(保護者)
…聞いていて、賛否はともかく、「子どもの進路を何とか保障したい!」という保護者や教職員の切羽詰まった思いが伝わってきました。
ところが、多くの疑問や意見に対して、府教委は「調整中」「今後、検討する」など、まともに答えることもできないまま、「もう意見を言う場は、ない」とのみ断言。会場に不満が満ち、時間切れ。
終了後も会場周辺のあちこちに話し合いの輪ができていて、何人かに感想をお聞きしました。
「質問しても『検討中・調整中』ばかりで、なんやねん!と。中学から『新制度になるから必ず行ってください』って言われたのに」(中2保護者)、「うちの子は公立高校に行けるのか!?と不安。私学なんて家計が許さないし」(中2保護者)、「まだ今の制度のことがよくわかってなくて、『ここが変わる』『ここは変わらない』と説明されても、ほんまにわからん」(中1保護者)、「結局、学力の高い子にはお得な制度なんちゃうか、って、不安でいっぱいになった」(中1保護者)など声が。
…実感したのは、「選べる」「3回受験できる」といくら府教委が言っても、「説明」すればするほど保護者も中学の教職員も不安が大きくなる、それは「新しい制度」自身が解決できない大きな問題を持っているからだ、ということです。
このまま、子どもや保護者不在で「新制度」を強行するなんて、絶対に、あってはなりません!