洛西ニュータウンアクションプログラムって?〜C「住民の声」と「プログラム案」にギャップ
11月2日、「第3回アクションプログラム検討会」を傍聴しました。…注目したのは、示された2つの資料です。
1つは、8月に開催された「まちづくりトーク」の報告資料。参加者がグループで出した意見が箇条書きされています。共通して出されているのは、まず交通問題です。
「市中心部への通勤・通学が不便」「地下鉄や路面電車、コミュニティバスなどがほしい」「市バスの均一区間、一日乗車券が使えるように」「敬老乗車証を民間バスにも使えるように」などなど、「交通」というテーマ設定がされなかったもとで、かえって全てのグループで、関連する意見が上がっています。
また、サブセンターについても、「家賃の補助、空き店舗活用などで商店の活性化を」「会館料金や時間区分の改善で使いやすく」「高齢者の食堂や居場所を」「会館はバリアフリー化が必要」「サブセンターをつなぐバスで買い物難民対策を」などの声。
子育て支援についてでも、「竹の里に児童館・学童を」「子どもが安全に使えるよう古びた公園や歩道、柵など修繕してほしい」「夜間休日の小児科対応を」「文化施設がほしい、市立芸大を残して、連携を」など。
住宅をめぐっては、「市営・府営にエレベーターを、修繕と空き部屋の活用を」「若い世代が住める家賃設定に」など。
…ここには、安心して住み続けたい、子や孫にも住んでほしいという願いがほんとうに溢れていることを、あらためて感じます。
もう1つの資料は、今回、初めて出された「アクションプログラム案 検討資料」です。
まず「まちづくりの方向性」として、「見(観光)て、遊んで、働ける、自然も豊かな洛西ニュータウン!〜観光、就業・起業支援、情報発信するニューエストタウン」などが例示され、2020年度までに取り組む「4つのテーマ・14アクション」が示され、最後に「推進体制」として、「アクションプログラムの進行管理を行う協議会設立」「市民主体の取組の支援制度」「各事業の実施をサポートするまちづくり組織(まちづくり会社)設立検討」など打ち出されています。
…なぜ、まちづくりに「収益を確保」する「会社」が出てくるのか、全く理解できませんが。
これらをめぐって、検討委員のみなさんからは、「新たな交通システムの検討は、もっと重視をしてほしい」「その主体はどうなるのかが疑問だ」などの意見がありました。洛西担当区長が「新たな交通システムの検討は京都市全体の交通政策の問題。そこへ、地域の実情はこうなっていると言っていく」とされました。…ぜひとも、強力な“アクション”を起こさねばなりません!
さらには、他の委員からは「全体を通して、住民の意見を反映する場がない。入る余地もない。外側の建物が立派であっても住む人の思いがぬけているのではないか」とのきびしい意見も出されました。前回検討会(7月13日)にも、別の委員から「検討が委員の中だけで進んでいくことは問題だ」「住民が安全・安心で暮らしていけるか、ということを検討の中心にすべき」との意見が出されていました。事務局の京都市は「8月のまちづくりトークでも聞いている。今後は事務局へ」とします。
しかし、先にも紹介したような「まちづくりトーク」などでの切実で具体的な声と、事務局が示してきた「アクションプログラム案」との間には、大きなギャップ、隔たりがあるのではないでしょうか。
…どうも、住民の声とは“別次元”で、誰かがプログラムを勝手に書いているのでは?との疑問は、拭えません。 (つづく)