09年12月 3日(木)
「海の科学者が足りない」〜国政委員会の北部合宿&調査から2009
昨日・今日と“国政委員会合宿”で府北部へ。先の衆院選候補者&国政事務所スタッフ揃って、とても充実したものになりました〜♪♪
昨日午後は、国政委員会の定例会議の後、一路、京丹後へ。〜府内最北端にある「宇川温泉 よし野の里」まで足をのばし、宿泊は5区・吉田さゆみ邸へ。夕食は地元漁協にお願いした蟹、ハマチ、イカなど日本海の旬の食材にみんなで舌鼓!
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今朝はまず、舞鶴海洋気象台を訪ね、海洋観測船「清風丸」の廃船問題について懇談しました。
日本海の海洋観測を43年間も担ってきた「清風丸」(現在3代目)を来年3月で廃船にし、日本全体でも本庁(東京)と神戸の2隻だけにする計画。日本海には1隻も海洋観測船がなくなることになり、漁業者や住民から心配の声があがっています。
懇談では、最初に気象庁の地球温暖化業務課から「地球温暖化に対応する国際的な分担で、日本は北西太平洋観測に重点を置くために大型船2隻に機能を集中する。日本海の観測にはアルゴフロート(2〜4年使用の無人浮遊調査機)を60基ほどに増やす」と説明がありました。
同時に、現場の課長さんらのお話からは、「清風丸」が長年の調査を蓄積してきたことの重要性を認識することに…。
例えば、日本海の深層を形成している日本海固有水〜冬の季節風によって冷やされた海面近くの水が沈み込むことで生成される、酸素含有量が多い水〜について、数十年で見ることによって、生成量や酸素量が減少し、水温が上昇しているなどの“変動”が初めて明らかになったんだそうです。
…この“清風丸データ”はIPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第4次報告(2007年)にもとりあげられているとのこと。つまり、地球温暖化に“警鐘”を鳴らす世界の科学者たちも認める重要なデータだということです。★参照:「近畿・中国・四国地方の気候変動2009」より「第3章 海洋の気候変動/コラム 日本海の深層変化」
こうした重要な調査・研究が、今後は「年1回の調査に大型船がやってくる」ことやアルゴフロート投入などで本当にカバーできるのかどうか(これは削られないのか)、また海洋観測船を持たないもとで海洋気象台の役割はどうなるのか、海洋観測の専門家や人材育成は、…など、さまざまな不安はぬぐえません。
「湯水のように予算があるわけではないので…」という言葉も出されましたが、別にこちらも“湯水のように使え”と言ってるわけではありません。
…気候変動や防災に関わる科学的な調査・研究を、もしも「効率化・集約化」、ましてや「温暖化対策」の名の下にバッサリ削るようなことがあれば取り返しがつかない!と、私はつよく思うのです。
地球温暖化問題に十数年関わってきた者として、今後とも調査をしていきたいと思います。
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続いて、舞鶴平和委員会・橋本さんのご案内で、舞鶴湾から自衛隊基地を視察。 イージス艦「あたご」「みょうこう」、旗艦「しらね」、ミサイル艇や掃海艇など、こんなに揃って間近に見るのは初めてのことです。
…イージス艦は1隻1400億円×2隻。日本中には7隻が配備されています。いったい「清風丸」予算の何百倍なんだろ!?
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15時からは京都府漁連を訪ね、民主党政権の税制調査会で漁業用A重油税などの減免・還付措置の「廃止」が打ち出されていることについてご意見を聞きました。
「突然のことで驚いとる。漁業者は、燃油が経費の3割以上にもなればやっていけない。現場を知らずに一方的なのはいかがなものか」「自民党も民主党も、日本の漁業や食糧自給率をどうするという大方針がないのが問題だ」とのお話。
…本当にその通り。魚価の下落のうえに、一昨年からの原油高騰で甚大な被害を受けているのに、さらに「増税」では日本の漁業は壊滅してしまいます。
大型クラゲ対策についても意見交換。ここ2年はほとんど出現しなかったのが今年は最悪だといいます。「もう何年も経っておるのに、原因解明や有効な対策がちっともすすまない。“海の科学者”が足りない、おらんというのが実情です」との言葉が印象に残りました。
〜ちなみに「清風丸」についても「新しい船を一緒に要求し、海洋調査も協力してやったこともある。たった6年で廃船とはもったいない」と嘆いておられました。
…“海の科学者が足りない”。う〜ん、本当にそうですね。農・林・漁業や気候変動などの科学者・専門家は本当はもっと必要なはず。そういうところを“事業仕分け”されたりしないように、がんばらなくっちゃなりませんね!
メッセージ
蟹、ハマチ、イカ・・・下の記事とのギャップに驚きました。
こういうことを記事にする神経が分かりません。
投稿者: よかったですね | 2009年12月09日 13:55