09年8月12日(水)
「温暖化対策」討論会A〜「高速道路無料化」「日米FTA」めぐって2009
(11日つづき)
「温暖化対策 市民討論会」では、各党が中・長期目標と具体策について述べたのに続き、気候ネットワーク・浅岡美恵代表による“反対尋問”がありました。
民主党に対しては「政権交代後、『目標修正』ということにならないか?」「『高速道路無料化』『ガソリン税などの暫定税率引き下げ』政策は温暖化対策に矛盾するのでは?」と浅岡さん。
与党である公明党には「エコポイントによる大型テレビなどへの買い換えで、はたしてCO2が減らせるのか?太陽光発電についても『全量買い取り義務付け』はされていません」「自公政権と公明党の中期目標が大きく違うのはなぜか?」など。
日本共産党の私には、@「共産党はエネルギー利用高度化法案への修正案など、私たちも考え方の参考になる良いものを出しておられる。しかしこれらが国会で多数になるにはどうしたらいいか?」、A「イギリス産業界の話があったが、日本でも産業界・企業を政策誘導するのは大変な仕事。どうしたらいいか?」とのご質問。
…あんまり“反対尋問”という感じではないですが、浅岡さんならではの重要な問題提起です。私が答えたのは↓↓
@について:日本共産党は、温暖化対策をはじめどんな問題でも、国民・市民とスクラムを組んで“運動と世論の力”で国会や政治を動かしてきたし、これからも動かしていこうと考えている。現に、各政党が「温暖化対策」をここまで総選挙政策に位置づけるように変化してきたのは、市民運動のみなさんがねばりづよくとりくんでこられた成果。私たちは総選挙後の新しい国会では、温暖化対策でも市民運動との連携をさらにつよめつつ、“財界・企業献金のしがらみのない政党”として独自の調査・提案をして、新しい政権に積極的に提案・リードする仕事をしたい。
Aについて:温暖化対策が「科学の要請である」とともに「世界に広がる新しいビジネスチャンスとしても、このままでは日本は逃すことになるぞ!」というメッセージを政府がもっと発信することが重要。例えば、ドイツでは太陽光発電と固定価格買い取り制度を20年単位で位置づけた結果「25万人の雇用創出」に成功しているし、デンマークでは10年以上前から風車発電を市民が共同管理や個人所有して電力を売り、貧しい地方でも地域経済の活性化につながっていると聞く。日本でも、住宅への太陽光発電など長期展望で位置づければ、まちの工務店や電気屋さんの“仕事起こし”にもつながる。ぜひ政府が経済的インセンティブを。
続いて、会場から次々と手が挙がり、「高速道路無料化」や「日米FTA協定」・農業政策などについても活発な議論になりました。
それらを受けた終わりの発言。〜私は「環境破壊につながる軍事優先、大規模開発優先政治の転換」を訴えるとともに、「日本は大部分の食料を輸入に依存して“フードマイレージ世界一”だが、輸送に係るCO2排出コスト削減のためにも、農業を基幹産業と位置づけ、食料自給率を当面50%に引き上げるべき。日米FTAなど農産物輸入自由化には反対する」「クルマとCO2排出を増やす『高速道路無料化』『暫定税率引き下げ』など民主党公約のマズイ部分には、新しい国会で『ストップ役』としてがんばる」と、日本共産党の立場を述べました。
…短い時間でしたが、なかなか濃密な討論会だったと思います。
もっと話したかったこと〜例えば、いま原子力発電の促進に使われている電源開発促進税(電気料金に上乗せ)にメスを入れることや、京都・舞鶴にもある火力発電所とCO2排出の問題など〜もあったのですが、それはまたの機会に。
…なにより、こういうテーマで「市民討論会」を企画された主催者、そして参加者のみなさんに心から感謝を申し上げるものです。
「地球温暖化をどうくいとめるか」は21世紀の日本の国づくり・外交に、絶対はずせない第一級の課題。総選挙の大争点に押し上げるために、私もがんばります!!