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08年3月28日(金)

大江健三郎さん全面勝訴!沖縄戦「集団自決に軍、深く関与」と大阪地裁2008

 夕刊各紙の1面、「集団自決『軍 深く関与』」「大江さん全面勝訴」「沖縄ノート 大江氏記述は妥当」などの文字が踊っています。

 『沖縄ノート』の著者である大江健三郎氏と岩波書店を、「沖縄戦での集団自決に旧日本軍の命令はなかった」とする原告が「名誉毀損」で訴えていた裁判。…大阪地裁は、「軍から自決用に手榴弾が配られたという住民証言が多数ある」「手榴弾は軍隊にとって貴重な武器であり、軍以外からの入手は困難」「集団自決が起きた全ての場所に軍が駐屯しており、駐屯していない場所では起きなかった」などの事実をふまえて「軍の深い関与」を認定したそうです。

 「私の『沖縄ノート』を裁判官がきちんと読んでくれた結果」と大江さんはコメント。全面勝訴です!

 この問題では、昨年来、高校の歴史教科書から検定によって「軍の命令、関与」の記述が削除されたことが大問題になっています。実は、今回の原告らの主張を、文科省は「削除」の根拠のひとつにしていたとのこと。その根拠は成り立たないと審判が下されたのです。…一刻も早く教科書に記述を回復すべきは当然です。

 「軍の命令、関与は事実」「歴史をゆがめるな」と、昨秋11万人が集った沖縄県民大会。参院選をうけた国民世論も後押ししています。

 そして、大江健三郎さんは憲法「九条の会」の呼びかけ人の1人。…過去のあやまちを隠さずに伝えることと、現在の戦争の火種を許さないこと、それらはひとつに繋がっているのだと、あらためて感じます。

 今回の原告側は「控訴」の方針と伝えられています。…“綱引き”は続きますね。がんばらなければ…。

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