08年1月27日(日)
“ガソリン税国会”と京都高速道路〔その2〕2008
今日は、右京連絡会山ノ内のみなさんと一緒にハンドマイク&プラスターでの街頭宣伝を。…とにかく寒い!!昨日に続き、久々の京都らしい寒さです。
さて、「道路中期計画」…自公政府が、道路特定財源をつぎこみ10年かけてやろうとしている長大な計画の中身について…。
なぜ高速道路が必要なのか?…その「効果」が列挙されているんですが、とんでもない例も。
@効果:鮮度の高い農水産物を運ぶことができる…「土佐清水のゴマサバ、高速道路で鮮度を保ち首都圏市場に」〜四国高速や本四架橋の実現で、東京でもゴマサバが食べられる、売り上げも伸びたといいます。他、北海道の大根の例も。
→いま、米価も魚価も暴落し、農漁業者からは「もう食べていけない」「後を継がせられない」と悲鳴があがっています。政府の大資本や米国優先、農漁業きりすて政策の結果起こっていること。そこを全然問題にせずに、「高速道路をつくったらよくなる」という一本槍の話。…いったい、こういうのが地域の「基幹ネットワークの整備」や「国際競争力の確保」につながるのでしょうか??
A効果:「救急医療を支える生命線」。京都・大阪間で、第2京阪道路などが整備された結果、患者の救急搬送が30分で可能になり、京都・竹田病院と京奈和病院の医療連携体制が整ったとして、「救急医療は、搬送時間の短縮が救命率向上に大きく貢献」とグラフまで掲載。
→京都南部や大阪では、救急車で搬送された患者が「医師がいない」といくつもの病院に断られ死亡するような事故が相次ぎ、妊婦さんが亡くなることまで起こりました。確かに医療連携は必要ですが、いのちを救うには搬送時間短縮だけでなく、病院や医師を増やすことこそ必要です。地方交付税もふくめ、そういう医療・福祉予算を削りに削っておいて、「高速道路最優先」では、いのちは救えないと思います。
もうひとつ、「道路特定財源をやめれば、地方の道路整備ができなくなるんではないか?」という疑問について。
→実は、道路特定財源というのは、「高規格道路」といって、国は補助の採択基準をひきあげ、巨大な規模の自動車道路などの事業にしかつかえない制限がされているんです。地方道の維持補修には補助もないのが実情です。だから、通学路や生活道路にはとても使いにくいし、こうした住民密着型の道路整備・補修というのは、これまで地方自治体の一般財源でやってきているんです。むしろ、道路特定財源という枠を外して一般財源にしたほうが、都市でも地方でも本当にくらしに必要な道路を優先し、住民意見にもとづいて、つくることができるんです。
結局、この「道路中期計画」というのは、「道路特定財源という“既得権益”を手放したくない!」というのが本音の計画なんじゃないかと、つくづく感じます。
さらに、京都高速道路についても、いくつかの論点を…。
未着工の3路線の総額は2900億円とも、もっと膨れ上がるともいわれています。日本の高速道路建設の相場は「1mあたり1000万円」…とても高いのですが、京都高速はもっと高い。地下や高架が連続し、1mあたり1500〜2000万円ちかくかかりそうだと。しかも、「久世橋線」は接続先も決まってないんです。いったいどこまで伸びる(膨張する)のやら…。
この前、1月20日、完成した「油小路線」の開通式にきた冬柴国土交通大臣が「道路特定財源の活用なしに、この事業は実現していない」と言ったそうです。大臣は「道路特定財源が大事だ」と言いたかったんでしょうが、裏を返せば、京都高速道路の計画をやめれば、道路特定財源もいらないということです。そうすれば、ガソリン税だって下げられるじゃないですか。(つづく)