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08年1月24日(木)

「燃料高騰分、休みを削って走ろうとする」「死人が出ないか…」トラック労働者から悲鳴!――原油高騰影響調査2008

 原油高騰の影響調査で、建交労のトラック部会やタクシー労働者の組合である自交総連など、穀田衆院議員秘書の小林さんと一緒に訪問しました。

 建交労関西合同支部では、西山府本部副委員長や足立書記長と懇談。トラック業界全体で倒産がじわじわ増えているといいます。今年の事業者アンケートでは、京都で72社、全国562社から回答があり、「赤字経営」43.4%、「廃業も考えている」4.3%と業界全体の深刻さが見て取れます。さらに、「軽油上昇分の運賃転嫁」が「まったくできない」73.7%、「収益悪化の主な原因」は「燃料費などの運行コスト増加」82.2%と、原油高騰が響いていることはあきらかです。「説明もなしに一方的な運賃カット」がある11.7%、「協力金、賛助金の要求」がされる12.5%など、不公正取引の実態も。

 トラック業界には、「荷主→元請け→下請け→孫請け」のようなしくみがあり、荷主→元請の間の取り締まりはあっても、元請→下請け間の取り締まりはきわめて弱いとのこと。実際、日本通運など大手は、「原油高騰の折…」といっては運賃表に「▲10%」「▲15%」と割引(値下げ)を記して一方的にFAXしてくるそうです。「いまや大手は、自社車は走らせない。連続運転時間や駐停車禁止などの違反が怖いから、どんどん下請けにまわすんだ」と足立さん。

 「下請けや運転手は、燃料費が上がった分だけ手取りが減り、その分、休みを削って走ろうとする。これまで月10回だった運行を12・13回に増やし、コンビニやパーキングで寝て徹夜で走る。また、高速道路で死人が出ないかと心配」といいます。府内でも、「流れの運転手ばかりを集め、タコ部屋のようなところに置いている会社もある。免許証はあってもホームレスのよう。社会保険未加入も多い」という話には、本当にゾッとします。

 原油高騰対策については、「暫定税率撤廃」署名に大きな反響があることや、あわせて、政府のやろうとしている「高速料金割引」は、「深夜割引」など時間帯を区切るとさらなる長時間労働(拘束)につながるので、時間帯を区切らず「総額割引」にすべきという話に、なるほど納得。…ぜひ28日の近畿運輸局申し入れでも伝えることを約束しました。他、Noxpm法や労働者の健康診断などに関わって要望を聞きました。

 …それにしても、トラック業界にこんな深刻な実態が広がっていることに、あらためて驚かされました。「根本は、規制緩和の『物流2法』だ」と西山さん。もともと国の「認可運賃」だったのが自由化され、「ルールなき」ダンピング合戦や労働条件切り下げがいっきにすすんだといいます。

 同時にいま、いろんな分野で、いきすぎた規制緩和に批判がつよまり、「見直し」の動きもすすんでいます。規制緩和をただし、いのちや権利や安全を守る「ルールづくり」をすすめることが絶対に必要だと、あらためてつよく感じました。(つづく)

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