07年11月 9日(金)
異常な高学費を考えるシンポジウム2007
学生をはじめ90人がつめかけた「日本の異常な学費を考えるシンポジウム」(主催:党京都府委員会、民青同盟)。…深刻な現状を変えようと、熱気いっぱいの集会になりました。
私はコーディネーターだったんですが、発言される深刻な実態にあらためて驚きました。
大学合格と同時に父親の会社が倒産したという立命の学生は、「1年目の学費は払い込んだものの、夜から早朝までバイトして授業は眠ってしまう生活。食事は高カロリーの菓子パンばかり選び、身体を壊した。それでも、来年の学費が無い…」。
2人の息子が私立大学に通うお母さんは、「学資保険は利率が悪くなり、2人とも月5万円ずつの奨学金を受けている。それでも自転車操業で、父親のボーナスはまるまる授業料に消えてしまう。子どもらに何も残してやれないから学力だけは…との思いで一生懸命です」。
働きながら、5年間奨学金を返済してきた女性は、「借りたのは240万円なのに利子付きで300万円返さないといけない。まだ10年かかる。正社員になれたからよかったものの、奨学金のために将来が狭められるなんておかしい」。
高校生4人が発言。「父も母も年をとって、しんどそう。父が最近『大学、最後まで出してやれんかったら、ごめんな』って言うんです、悲しい」。
…高学費のせいで若者も家族も苦しめられる、本当に異常な国です。絶対に放置できない!と思いました。
続いてパネルディスカッションでは、西山頌秀府学連委員長、碓井敏正橘大学教授、石井郁子党副委員長から問題提起がありました。
碓井さんは、国際人権規約・社会権の「高等教育の無償化」を「留保」している日本は世界のなかの「恥ずかしい国」であること、政府の「受益者負担主義」とは、「人々の才能は社会の共同資材」(アダム・スミス)という近代社会の常識に背を向けたものだと、述べられました。
そして石井副委員長からは、「世界一高い学費、低い奨学金」の異常を正すために日本共産党が国会でくりかえしとりあげ、「抑制したい」との文科相答弁を引き出したこと、例えば、東京大学の制度(年収400万円以下世帯の学生の授業料免除)を全国の国・公・私立で実施するには、2800億円あればできる!軍事費のわずか6%(対象は38万6人)であり、「アメリカ、大企業いいなりの無駄づかいにメスを入れれば『財源』はある」と提起されました。
府会、市会議員団からは、都道府県や政令市で独自の奨学金などをつくっている制度の紹介がありました。
…深刻な実態と、“学費ゼロ”への世界の流れ、そして日本での打開の展望が開けたシンポになったと思います。やっぱり、政治の責任が大きい! 学費値下げはもちろん、緊急の学生支援策など求めていかなければなりません。京都からも、まずは政府交渉など、ぜひ具体化にとりくみたいと思います。