07年1月25日(木)
アートdeArt(11)墨と遊ぶ―神門やすこ展e001_artde)アート de Art
のびやかな墨の線が描き出す子どもたち。神門(ごうど)やすこさんによる「墨と遊ぶ」展を訪ねました。
子どもの頃から絵が好きだったやすこさん。高校卒業後、人形劇団京芸に入団したことがいまの絵をささえていると言います。
劇団では、人形劇役者として保育園に「体験入園」するという稽古≠ェあったり、宣伝用ポスターや舞台美術を手がけるようになって、「子どもの表情やしぐさを細かく見るだけじゃなく、全身で気持ちを表現するような絵を描きたいなって」。
その後、筆遣いの基本を身につけたいと書道と水墨画を学んで墨の線≠ノ目覚めます。「生きた線。上滑った線じゃなくて紙に食い込んでいく線。勢いや力強さ、しなやかさが一本一本にあるんだと知ったんです」。
自らを「ズボラで追い込まれないと描けないタイプ」と言いますが、「追い込まれて描き出すと100枚くらい描いて捨てるんです。ヘッドホンで音楽を聴きながら、気持ちがどんどん高まってきて、『あれ〜、こんな線、描こうと思っても絶対描けない!」っていうのが生まれるんですよ。自分でも思いもよらないのが」。
モデルは?と訊くと、「気がついたら子どもたちを見てますね。電車の中で抱っこされてる赤ちゃんのお尻のぷくっとふくらんだ線とかね〜」とにっこり。…そんなやすこさんにかかると、不動明王や千手観音さまもかわいらしい子どもになってしまいました(写真)。
あったかく元気になれる展覧会。運が良ければ、会場で描いているやすこさんに出会えるかも…。
*神門やすこ展 2/11(日)まで ギャラリーかもがわ京都市上京区堀川通出水西入ル上ル Tel 075-432-3558(『京都民報』1/28付「アートdeArt」)