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06年10月 4日(水)

アートdeArt(4)“夢見る力 いつまでも” 永田萠さんの世界e001_artde)アート de Art

 イラストレーターで絵本作家の永田萠さんの新作エッセイ画集展を、西山とき子さんとともに訪ねました。

 「ギャラリー妖精村」に一歩入るとそこは“カラーインクのマジシャン”といわれる萠さんワールド。「京都新聞もくよう版」連載の原画が並び、幸運にも、萠さんにお話を聞くことができました。

 「色の組み合わせがすべて。たくさんの組み合わせを持ちたい」と萠さん。各国を旅すると、空気の色が違うそうです。

 「ひまわりは日本でも咲くけれど、スペインではすっくと立つ花の背景の空がほんとに青い。スペインのひまわりって、日本とまるで違う風をまとっているのよ」という話にナルホド納得。

 …では日本らしい色は?と尋ねると、「春の桜、雨にあじさい。桜っていうのは、何度描いてもまだ描ききれないの」と言います。

 人を喜ばせ楽しませたい、気持ちを和ませる絵を描きたいという萠さん。実は、絵描きになるきっかけになったのは画家・いわさきちひろの死だそうです。

 「あの絵を引き継ぎ、子どもたちに届けたくて。子どもは正直です。どんな名声もお金も通じない眼で見るもの」。

 同時に、世の中のいろんな事件に心がゆれると言います。エッセイにも、子どもをめぐる事件やイラク自衛隊派遣の日のエピソードが綴られ、「京都女性九条アピール」呼びかけ人にも名前を連ねる萠さんです。

 「夢見る力 いつまでも」との言葉をいただき、私もなんだか萠さんに心を耕されたような気がしつつ、展覧会を後にしました。(京都民報「アートdeArt」)

*永田萠 新作エッセイ画集展 11月26日まで(隔週入れ替え)ギャラリー妖精村(中京区堺町通り三条上ル)

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