05年8月23日(火)
京都4区 公開討論会/郵政民営化・増税・9条改憲「賛成」…自民党の2人も、民主党候補も2005
きっぱり「反対」…日本共産党・成宮まり子
「郵政民営化に賛成」(自民「非公認」候補)、「八木町に3つも郵便局はいらない。1つでいい」(自民「公認」候補)、「憲法9条は変えて当然。自衛軍をもつべき」(民主候補)。…8月23日におこなわれた、4区立候補予定者による公開討論会。予想以上に、自民の2人と民主候補の主張がそっくり。まさに「オール与党」VS「日本共産党」を実感する場となりました。
郵政民営化「反対」…成宮・共産だけ
「反対」票を投じたはずの自民「非公認」候補が、「民営化はよき手段。賛成」と表明し、自民「公認」候補も、「賛成。公務員を減らす」と主張。
私・成宮まり子は、「民営化は住民サービスを後退させる。日米の大銀行の要求にこたえるもの。反対」と述べ、自民候補に対して、「郵政事業に税金は一円も投入されていません。独立採算で職員の給与も払い、全国一律、災害無料小包など、民間にできないサービスをやっています。自民党は、事実でないことを言うべきじゃない」と反論しました。
すると自民候補は、「税金は使っていないが、裏の補助金がある。だいたい、私のいる八木町には3つも郵便局がありムダだ。農協だって1つしかない。1つでいい」とおどろくべき発言。
私は、「『裏の補助金』どころか、郵政事業は黒字経営で、利益の半分を国庫に納めています。10年後だって『公社のままなら1383億円黒字、逆に民営化したら赤字に転落』と竹中大臣も国会で答弁していますよ。それに、八木町では農協が1つしかないからこそ、3つの郵便局が住民にとってかけがえのない仕事しているんじゃないんですか。『1つでいい』なんて、それこそ民営化で、郵便局がなくなる証明じゃないですか」と反論しました。
郵政問題では、民主党候補も、民営化に「×(反対)」を掲げたものの、討論では、「郵貯・簡保の資金が民業を圧迫している。貯金限度額を下げ、民間銀行に資産運用をまかせるべき」と発言しました。
(以下、要約)
私(成宮)「資産運用といわれたが、いま民間銀行は、お年寄りなんかに元本保証のない株式投資を押しつけたりして、問題になっていますよ。国民が望んでいるのは、こんな『リスク』よりも、安心できるサービスではないですか」
民主「安心と言うが、財政投融資に郵貯資金が流れて帰ってこない、ムダづかいがある。自分は、大蔵省にいたので知っている」
私(成宮)「あなたが大蔵省にいた時はそうかもしれません。でも実は、4年前に、郵貯資金が特殊法人に自動的に流れるしくみは改善されているんです。いまのムダづかいの責任は、郵便局じゃなくて、財投の計画をつくっている政府にあるんですよ」
民主「民間に資金がいけば、中小企業にいく」
私(成宮)「銀行は、貸ししぶりなど、中小企業への融資を70兆円減らし、京都でも中小企業を苦しめています。そして、国債を40兆円も買い、資金は『民から官へ』行っているんです。『中小企業にまわり、地域経済がよくなる』というのは、実態とちがいますよ」
…このやりとりには、自民「非公認」候補から、「民主候補は、『民間にお金をまわす』というのに、民営化に反対なのか」とつっこまれる場面もありました。
結局、私以外の3人の候補者が、「郵政民営化」「官から民へ」と主張し、「国民サービス守るために、郵政民営化に反対」と主張したのは、私だけとなりました。
自民2人、民主とも「消費税増税」主張
「財政・税制」「年金・社会保障」のテーマでは、まず消費税増税にどういう態度をとるのかが問われ、私・成宮以外の3人とも、消費税増税に「○(賛成)」。
民主候補は、「3%上げて、年金目的に」。自民の2人は「引き上げを逃げるべきではない」などと主張。
成宮は、「消費税は、お年寄りなど所得の低い人ほど負担が重くなるしくみ。引き上げるべきではない」と述べ、年金制度では、「最低保障年金制度(月5万円からスタート)」を提案して、「その財源は、1. 公共事業費などのムダをなくす、2. ヨーロッパのように大企業に応分の負担を求めるべき」と主張しました。
増税について、民主候補は、「消費税で負担は薄く軽くなる」と、負担増なのに、逆のことを主張。自民「非公認」候補は、「痛みを与えながら、制度を持続可能に。税ですべては無理。フリーターからも保険料を払っていただくしくみを」と、増税以外の負担の話まで。
これに対して私・成宮は、「国民の負担ばかり、あまりにもひどいじゃないですか。この4年間で、医療費負担も年金保険料も上がり、介護保険では10月からホテルコスト(食費・居住費)までとる。…国民の『痛み』はとどまるところを知りません。逆に、実は、大企業の負担は、どんどん下がっているんです」と、日本とヨーロッパ諸国の企業の負担(税・社会保障費)の比較グラフをしめし、「ヨーロッパでは、企業の税負担を増やしているのに、日本では法人税は減税つづきで、20兆円あったのが10兆円に減っている。ここに一番の負担能力があるのではないでしょうか」と主張しました。
「憲法9条変える。当たり前」と、自民も民主も
「外交・国際貢献」というテーマでは、私・成宮はまず、「侵略戦争の反省のうえに、憲法9条をまもることが、最大の国際貢献です。戦後60年間、戦争で殺したり、殺されたりしなかったということは、貴重な平和のメッセージ。21世紀には、イラク戦争に支持・派兵するというような『アメリカの窓から世界を見る』のを改めるべきです」と発言しました。
すると民主候補は、「9条で平和が守られたのではない。アメリカに守ってもらったからだ」。自民「非公認」候補は、「9条は変えるべきだが、専守防衛で」と述べました。
そこで私・成宮は、自民候補に対して、「『専守防衛』と言うが、自民党の改憲案で、9条を丸ごと書きかえ、『戦争放棄』も『戦力不保持』も『交戦権否認』もなくしているじゃないですか。『自衛軍』をもち、海外で活動すると書いてある。…これは大変なことで、軍隊の仕事は戦争ですよ。イラクに派遣している自衛隊の任務が変質する。そんなことをして、ほんとうにいいと考えるのか」。
民主候補には「『9条で平和が守られたのでない』というなら、民主はどういう考えなのか? 憲法9条を変えるのか」と質問しました。
民主候補は、「9条は変えるべき、当たり前です。自衛軍を持つべき。…成宮さんに怒られるかもしれないが、仲よくするのが外交じゃない。国益を守る」と、北朝鮮や中国との「緊張感ある外交」論を展開。
自民「非公認」候補は、「9条を変え、集団的自衛権も認めていく」、自民「公認」候補は、「中国や韓国とは歴史観が違う。戦争責任を認めつつ、首相も、自分も、靖国神社にはもちろんいく。日本人の心だ」と発言しました。
討論の最後に、私は、「私以外の3人の方の発言が、非常に似かよっていて驚いた。そろって、消費税・憲法9条改悪・郵政民営化と言われた。私は、国民の立場で、『庶民増税ストップ、憲法9条守りぬく、郵政民営化反対』と訴え、『たしかな野党・日本共産党がいまこそ必要』と訴えぬく」と述べました。